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さてと、友人にワンフレーズ求めて、このタイトルのテーマです。
世界の隙間・・・一体どんなものだろうと思いながら書いてみます。

裏ブログで更新するものですから、やっぱり暗めなねがちぶで。


ただ、私が求めていたのは『呼吸をすること』、それだけなのです。

「という、物語。」
ぱたん、と本を閉じて目の前にいる少年が言った。
「ふーん・・・結局、何が言いたいわけ、その話。」
「さぁ。世界は息苦しいってことだろ。」
ぱらぱらと本をめくって、少年が呟く。
世界が息苦しいなんて、ただの言い訳。別にその人次第じゃないか。
「『呼吸をすること』なんて人間の本能、当たり前のことだろ、何で息苦しいんだ。」
そう言うと、ぽかんとした様子で、少年が言う。
「だって、『世界の隙間』があるからだろ。」
「・・・はぁ?」
世界の、隙間?
「そう。『世界の隙間』。」
世界の隙間、という単語を始めて聞いた。世界、隙間、その2つの単語は聞いたことはあるが、それを併せようとは思わなかった。
「で?」
「『世界の隙間』から、出てくるんだ。」
「出てくる?」
「余分な量の二酸化炭素。」
突然、現実的な単語を出されたからついていけなくなった。なるほど、環境問題ですか。
「余分、つまりは俺たち人間が出す二酸化炭素ですか。」
「俺たち、人間?」
そう言って、少年は冷たく笑った。
「―――誰が、人間だって?」


「この、死にぞこないが。」



先ほどまでの声色とは一変して、少年は冷たく言い切った。


「しに・・・ぞ、こ・・・ない?」

「死んだことも気にせずに、呼吸を作り出す。」

「死んだことも忘れて、『世界の隙間』を生む。」

「死んだことも無視して、『世界の隙間』から這い出る。」

「自分の命を絶ったくせに」


『世界の隙間』はすぐ傍にあった。
ビルとビルの隙間の、黒い空間。自分の着地点、『世界の隙間』。
落ちる、自分の着地点。

「ただ、私が求めていたのは『呼吸をすること』、それだけなのです。」

そう言って、落ちてゆく。

「私はただ、『呼吸をすること』それだけがしたかったのです。」

そう言って、落ちてゆく。



『呼吸をすること』を忘れて、『空気を奪う』。
『世界の隙間』から這い出ては呼吸をする。


「世界の隙間って、どこか知ってる?」


「自分が死んだときに生まれる、世界と世界の狭間のことなんだよ。」


「この世と、あの世の隙間。」


「死体のすぐ傍の、その小さな隙間から、死にぞこないの呼吸が出てくる。」


「あってはならないはずの、余分な二酸化炭素。」


「あってはならないはずの、生の証。」


「あってはならないはずの、『世界の隙間』。」




「死んでるんだ、君は。」




:あとがき:
やっぱり死にネタなのね、私。
とりあえず、死ぬ人も死んだのに気付いてない人も好き。
世界の隙間って、すっげー可愛いテーマなのにごめん。
やっぱり、世界の隙間難しすぎる。
ごめんねー。
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無題
「世界の隙間」がこんな風になるなんて、びっくりさ!
誰だよ自分 御機嫌よう、木野木です
素敵です、素敵すぎます桃月さん!
綺麗な話です
「世界の隙間」と「生死」が私の中では繋がってなかったので新鮮でした
桃月さんのオリジの話は毎回可愛いなと思ってます
できれば同じ「世界の隙間」という題でお返ししたいなと考えていたのですが、何だかなあ
私にはちょっと難易度が高い気がしてきました(汗
これからもご自分の世界を広げていって下さい 応援してます!
木野木 2007/09/28(Fri)22:34:52 編集
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