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怪しげな創作メモ的な。版権・オリジナル、何でもあり。 このブログを見た後や同窓で公式サイトを見るのはご遠慮ください。
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期末テストお疲れ俺←
さてと、そんなテストで苦しむ奴らといえば…そう、機械猫獣たちですよ^^
そんな奴らの落ちこぼれセブンな話を書いてみようかと。
ちなみにドラえもんの設定は黄色です。真面目な頃。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁっつぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅいいぃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」
 教室で、キッドが獣の唸り声のような声を上げる。他の面々もノートや下敷きで自分の顔を扇いでいる。
「仕方ないじゃん、まさかクーラーが壊れるなんて思わなかったからさ」
「ふざけんなっつーの…」
 えもんがキッドを扇いでなだめるが、キッドには効果がないようだ。冷暖房設備の教室だが、ちょうど今日冷房の調子が悪くなたようで、現在メンテナンスのために冷房が効かないのだ。
「ありえねー!!ただでさえ俺たち補習なのに!!」
 キッドの次はエルが叫んだ。立ち上がって窓を開けるが、風は全然吹いていない。エルは窓の外に向かって「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」と怒鳴っている。
「全く、そんな事をして涼しくなるはずないでしょう」
「そうであーる。無駄な体力を使ったら余計熱くなるであーる」
 はたはたと下敷きで扇ぐ王とメッドは冷静に言う。しかし、2人とも表情はあまり冷静なものではなく、言葉にも刺がちくちくと含まれている。
「めっどぉー…暑いよぉー…」
 普段なら天候なども気にせず元気に動き回るリーニョだが、その蒸し風呂のような教室でははしゃいでいない。ぐったりと机にうつ伏せてメッドの名を呼んでいる。
「めーっどぉー…」
「大丈夫であーるか?」
「リーニョ、ほら元気出して」
 えもんが駆け寄って、リーニョの頭を扇ぐ。うつ伏せたリーニョから「ありあとー……」と力ない返事が返ってきた。
「ほら、エルもいい加減窓から離れて課題終わらせなさい!」
 王がエルの頭を軽く叩いて、怒鳴る。頬から小さな汗の粒が垂れている。
「暑い……俺、無理だ……」
「課題が終われば貴方の待ち望んでる夏休みですよ?」
「そうだよ、キッドもリーニョも、夏休みが待ってるんだって!」
 王の言葉にえもんも便乗して、キッドとリーニョに声をかける。リーニョはすぐに顔を上げて「なつやすみ!」と言って課題のワークを広げた。キッドもゆっくりと顔を上げた。
「夏、やすみ…」
「そうそう!早く課題終わらせようよ!」
「夏、やす、み……」
「そう!夏休み!」
「夏休み…!!」
 そしてキッドの目が輝いた。ワークを広げて、問題とにらめっこをするキッドをみて、えもんは王に親指を立てる。教室ではエルとそれを説得する王以外はみんな問題をしている事になった。
「さて、貴方の番ですよ、エル」
 王はエルに声をかける。気付けばエルは何かをぶつぶつと呟いている。
「何で、何で…………なんでお前はマフラーをつけてるんだニコフ――――――――!!!!!」
 教室のおくで黙々と問題を解いているニコフをみて、エルは突然怒鳴った。怒鳴られたニコフは顔を上げて、エルを見る。
「……メッシュだから、暑くない」
「そう言う問題じゃねぇよ!!見た目だよ!MI!TA!ME!!!」
「自分がこれを外したら、キャラが成立しない……」
「エルもニコフもお、落ち着いて!?」
 流石にまずいと思ったえもんが二人の間に入る。それを見て、王がため息をつく。
「エル、いいんですか?このままでは、貴方だけ、夏休みがないんですよ?」
 その言葉を受けて、エルは教室を見る。必死で問題を解くキッド、わからないところを積極的に聞いて少しずつ課題をこなすリーニョ、リーニョに教えながらも自分の問題も解いているメッド、話をしながらもワークが進んでいるニコフ、皆を止めている中でも地味に一番ワークが進んでいるえもん、そして目の前にいる秀才王。
「なら、夏休みに皆で行く予定だった海、どうしますか、えもん?」
 ため息混じりに、王がえもんに尋ねる。えもんは「ああ…」と頷いて、エルを見る。
「皆で課題終わってから、って予定だもんね……」
「ですよね。じゃあ、エルは行けませんね」
 にこりと笑うエル。その笑顔を見てエルは「うっ」と息を詰まらせる。確かに、海に一人だけ行けないのは、嫌だ。
「海、だろ…」
 そのときのエルの脳内には、夏色に輝く砂浜と夏のぎらぎら照らす太陽で光る海と、水着の、
「王…」
「はい」
 エルのやる気が起きたようなその声に王は「やっとか」と思いながら笑顔で返事をする。そのとき、エルは王の手をぱしっ、と取って真剣な顔で王に告げる。
「お前の水着、見せてくれるよな」
「…………は?」
「だから、俺が課題終わらせたら、水着見せてくれるよな!?」
「……エル…、」


「よっしゃー!!おわったぁ!」
 幸せそうなキッドの声が響く。と、そのとき天井の冷房から起動音がした。それを聞いて、さらにキッドの表情が明るくなった。
「クーラーも効いてきたなぁー」
「無事にメンテナンス終わったであーるな。リーニョ、問題終わったであーるか?」
「うん!ほら、ここの問題見て!」
 リーニョの指さす問題を見てメッド何度か頷く。そして、「正解であーるよ」とリーニョの頭を撫でた。その後ろでニコフがワークを閉じた。
「ねえねえ、ニコフも終わった?!」
「……ああ」
 ニコフも頷いた。そして、ニコフは視線を替えて尋ねた。「えもんは終わったのか?」
「うん、僕も終わったよ!クーラーも直ってよかったね」
 上を見上げて、爽やかにえもんは言った。それを聞いて、ニコフは再び別のところを見る。その視線の先を、えもんも追う。
「おや、どうしたんですか?」
「あ、王は終わった?課題」
「もちろん、終わらせましたよ。それでは、教室を出ましょうか」
 爽やかに笑う、王。
「えー?!折角クーラー効いたのに!」
 キッドが反論の声を上げるが、王がにこにこと笑って言う。「私の部屋でカキ氷パーティでもしませんか?課題終了記念に」
「カキ氷!僕好き!!」
 ぴょんぴょんと跳ねながらいつもの元気さを再び取り戻したリーニョが言う。キッドも「いいな、それ」と言って楽しそうにニヤリと笑う。
「皆でいくであーるか?」
「…ああ」
「うん、そうしよう!」
 そして王を筆頭にぞろぞろと教室を出る。最後に教室を出たキッドは律儀にクーラーのスイッチを消して、教室の鍵をかけた。
「…………」
 教室に残ったのは、エルだった。

 へんじがない。ただのしかばねのようだ。


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