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怪しげな創作メモ的な。版権・オリジナル、何でもあり。 このブログを見た後や同窓で公式サイトを見るのはご遠慮ください。
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ありがとう空太君ありがとー!!!!!!
ネガティブの姿考えてくれて本気でありがとー!!!!!!

そんな訳で、空太君のキャラとうちの子のからみ。
最初に言っておく!って感じででんぉネタ。わかりにくいけどな!

原キャラとのからみないけどな!←



私は目の前にいるその人を見つめていた。
真剣な横顔。いつも私が見るとこの人は横顔なんだ。そして、その視線の先には書類や文章がある。
きっとその視線に私が入ることは無いのか、そう思うと悲しくなってきた。
カリカリと、ペンを動かして数式や文章を書いている。
「・・・マサキさん・・・」
私が彼の名を呼ぶと、彼は手を止めることなくじっと紙を見つめたまま。
「何だ」
「・・・」
その声を聞いて、何もいえなくなる。何かを伝えたいのに、何かを言いたいのに。
「言いたい事があるのなら、はっきり言え。」
マサキさんはペンを動かしたまま言う。その声には若干苛立ちが含まれているようだ。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
カリカリと、ペンが文字を連ねる音。それだけが、二人の沈黙を彩っている。
「・・・はあ」
呆れたようにため息をついて、マサキさんはペンを止めた。そして、私のほうをじっと見た。
「何だ?」
「・・・」
彼の瞳は、じっと私を映している。ああ、きっとこの言葉は届かないと分かっているのに。
絶対に触れられない何かが、この人にはある。それを知りながらも、私は伝えたかった。
「・・・」


「好きです」


私が言うと、マサキさんは一瞬だけ、本当に百分の一くらいの瞬間驚いた顔をしていた。きっと、これは私の気のせい・・・いや、私の願望なんだと思う。
「・・・そうか」
すっとまたいつものように無表情な、物事を考えるような顔になって紙に向かい合う。ペンを手にとり、彼はまた何かを書き始めた。
私の言葉は彼の頭で正しい意味で理解されているのだろうか。その彼の表情を見て不安になってしまう。
カリカリと、ペンの音が二人の間に響く。
「・・・帰るとしよう。」
マサキさんはそう言って、紙やペンをまとめる。そして、立ち上がって私の真横を通りすぎた。
「・・・じゃあな。」
「・・・また。」
私が言うと、マサキさんは僅かに微笑んだ。そのまま外に出る。マサキさんが完全に見えなくなった瞬間、私はその場に座り込んだ。


「・・・結局」
マサキはそう呟いて一枚の紙を手に取った。亜由の言葉を聞いた後に書いた、何の意味ももたない点と線の連なりを見た。
「関係ないはずだろう?」
びりびりとその紙をマサキは破る。小さく小さく破って、紙をぱっと上に捨てる。すると、桜の花弁のように紙が風に舞う。
「俺は・・・」
この世界とは、
「関係ない」
そう言っても、マサキの脳裏には、あの少女の悲しげな表情が焼きついている。

「好きです」

大学で同じような意味の言葉を何度も言われたはずなのに、その言葉だけは特別な意味を持っているように思えた。
「・・・関係ないだろ」
自分に言い聞かせるように、マサキはそう言って歩き始めた。


:あとがき:
亜由さんはマサキとか実が別の世界の人だとは知らないんだよ。けど、何か近づけないものを密かに感じているんだよ。
だから、マサキへの感情に気づいた時も正直言えなかったんだと思う。言おう、言おうとしても、言ってはいけないと思って。
でもこの時は、本当に遠くにいて、届かないって知りながらも言ったんだよ。
これ以上遠くなったら、一生いえない気がして。
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