忍者ブログ
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
フリーエリア
最新CM
[07/09 U4]
[06/29 かのん]
[02/04 U4]
[01/29 U4]
[09/11 こぎつね☆]
最新TB
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
アクセス解析
怪しげな創作メモ的な。版権・オリジナル、何でもあり。 このブログを見た後や同窓で公式サイトを見るのはご遠慮ください。
[86]  [84]  [83]  [82]  [81]  [80]  [79]  [78]  [75]  [70]  [68
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

冗談で木野木が言ってた話が面白いからちょっと書いてみたくなった。
彼女は月を食べて、また戻したそうです。

冗談なのかなぁ。いや、意外とやってそうで・・・やってたら面白そうだなぁ。
そんな訳で、女の子がお月様を食べたんです。

「・・・あれ?」
歩いていたらふと気付いた。
今日は満月のはず、と思って上を見上げるがほんの僅か欠けていた。月が、まるでかじられたように。
「何でだ?」
「食べたから。」
女の子の声がした。どちらかと言うと、俺と同じ年齢くらいの女の子のもの。
「たべ、た?」
「うん。」
そして、目の前には黒い長髪の女の子がいた。前髪はきっちりとそろえられて、目はパッチリとした黒い瞳。
その肌は白い月に照らされて、白く光っているようだった。
「食べたって、月を?」
「そう、月を。」
くすくすと女の子は笑った。笑って月を見上げる。少しだけかけている月を。
「何で月なんか食べたんだ?」
「さあ。」
おどけたような口調で、女の子が言う。
「食べちゃったから。」
「ふーん・・・」
黒い瞳に月を映した彼女の横顔は凛としているように見えた。
何となく、俺の好みの女の子、なんて思った。
「食べちゃった、ですか。」
「うん。」
「美味しかった?」
俺が尋ねると、女の子は「うーん・・・」と唸った。
「冷たかった。」
「冷たい?」
「うん。なんか、冷たい。」
確か、月の温度はとても低いらしい。そんなものを食べたなら、それは冷たかっただろう。
「他には?」
「味は無かったよ。」
味がないとは・・・確かに、ただの岩のようなものだから、味は無いようだな。
「でも、何で食べたんだ?」
「うーん?わかんない。」
そして、俺はまた上を見る。月が欠けたまま。
「・・・でも、よく食べれたな。」
「え?」
「月って普通なかなか食べれないんじゃないか?」
「うんー・・・だって、食べてみたかったから。」
「食べてみたかった?」
「そう。」
彼女はくるくると回りながら言う。
「あんな高いところにあるもの、食べてみたいでしょう。あんなに綺麗なもの、食べてみたいでしょう。」
あはは、と笑いながら回る。
「・・・へ、え。」
どうすれば良いのか分からず、とりあえずそう言ってみた。すると、彼女の表情が暗くなった。
「・・・信じてないんでしょ。」
「え・・・っと・・・」
正直に頷いて「信じていない」と言ったら彼女が傷ついてしまいそうだったので何もいえなかった。けれど、余計それは彼女を傷つけてしまった。
「・・・でしょうね。わかってるよ。」
ため息をつきながら、彼女は俯く。そして、目を閉じて、言葉を続けた。
「だって、食べれるはず無いもの。」
「でも君は食べたんだろう?」
俺が言うと、女の子が顔を上げる。その表情は驚いているようなものだった。
「・・・信じてくれるの?」
「君がそう言ったから。」
彼女が嘘をついているような感じが無かった。だから、俺はそう言った。
「嬉しいなあ。信じてくれるなんて。」
そう言って彼女が微笑んだ。すると指先が黒くなったのが見えた。
「・・・え?」
「満月は昨日だよ。今日は残念だけど満月じゃないから。」
そうだったのか。それを聞いて、別に月には興味ないのに少しがっかりした。彼女はその俺の姿を見てくすくすと笑っている。
「でも、特別。見せてあげるよ、満月。」
黒くなったんじゃない。彼女の指先は闇なんだ。そして、『月を食べた』
「君は・・・」
俺が彼女を呼ぼうとした時、彼女は静かに指を口の前に立てた。そして、そのまま闇に消えた。
「・・・あ。」
月を見たら、かじられていたはずの部分がなくなっていた。つまり、満月になっていたのだ。
「満月・・・」
白い月は、まるで彼女の頬に似ていた。俺の理想の女の子。
「・・・綺麗だなあ。」
そう呟いて、俺はまた歩き出した。


:あとがき:
月を食べたのは誰でしょう。って話。
まあ俺は結局月が好きなんだよね。憧れというか、理想というかなんというか。
そして全く話に落ちが無いって浦金浦みたいなオチ(うぁ
うーん・・・月を食べた理由が無かったのね・・・ごめん、俺。ごめん、木野木。
そんな感じで。

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
この記事のURL:       
忍者ブログ*[PR]