カレンダー
04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
フリーエリア
最新CM
最新TB
ブログ内検索
アクセス解析
アクセス解析
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
どらちゃん誕生日おめでとぉおおおおおおおおおおおおおおお(叫)
そんなわけで、どらちゃん生誕記念話でも。
そんなわけで、どらちゃん生誕記念話でも。
「ほらよ」
突然キッドにそれを渡された。僕は意味がわからず、とりあえず「は?」と言ってみた。
「なに、これ」
「いいから」
いいから、って何が? まったく話についていけない。僕がぼんやりとしている間に、キッドはタイムマシンに乗ろうとしていた。
「待て待て待て!! 何、どういうこと?!」
「だーから、それもっとけ。後で迎えに戻ってくるから」
「は!?」
何の話?! 聞こうと思ったときにはタイムマシンに繋がるのび太くんの机の引き出しは閉ざされた。こうなったらもう、やけくそだ。そう思い、キッドから受け取った紙袋を開けた。
「……なにしてんの、ドラえもん」
「僕が好きでこんな格好すると思う、のび太くん」
部屋に入ったのび太くんは僕の姿を見て、困惑しているようだった。そりゃ、本人が困惑してるんだから見るほうが困惑しても仕方ない。いや、そういう問題じゃなくって
「何故タキシード? 似合わないし」
「僕も好きで着てるわけでもないからね。全く、キッドは何考えてるんだか……」
紙袋の中にはタキシードと一枚の手紙が入っていた。手紙には「着ろ」としか書かれていなかった。なので、着てみたら破滅的に僕には似合わない。
「失礼し…ぶっ」
「え、どうしたんだよ!? 俺もみ、ぶっ」
突然机から声がした。のび太くんと僕は机を見つめる。しばらく、押し殺したような笑い声がしていたが引き出しが勝手に開いた時にはその笑いは収まっていた。ただし、二人の顔は嫌と言うぐらい笑いを収めていなかったが。
「王ドラ、それにマタドーラも。どうしたの、いきなり?」
「い、いえ。渡すものがありまして。ね、エル」
「おう、おうよ! しっかしドラえもん……お前、それどうしたのよ?」
にやにや気持ち悪い笑顔を浮べたマタドーラが僕に尋ねる。それ、とはきっとこの僕が着ているタキシードのことだろう。二人が笑ったのもタキシードのせいだ。似合わないことぐらい、僕は知っている。
「キッドが持ってきたんだよ。それで『着ろ』って手紙にかかれてたから着たけど……」
「王ドラ、お前あいつになんて言った?」
「私は正装を渡すようにとは言いましたが…これはひど、んっ、んんぅ」
王ドラが咳をして誤魔化したが、確実に「これはひどい」と言いたかったんだろう。ちょっと僕でも傷つく。
「それで、どうしてみんな来てるの?」
と、のび太くんが後ろから的確な質問をした。そうそう、それは僕が一番聞きたかったんだ。
「いえ、少し準備がありましてね。さて、私からはこれを」
「俺はこれを渡しとくぜ。上手くやれよ、ドラえもん」
質問を交わしながら、二人は紙袋を僕に渡す…というよりは押し付けた。それから二人揃ってタイムマシンに乗って消えた。
「タキシードの次は、何?」
「さぁ……えーっと」
袋の中身を取り出す。
「薔薇の花束と」
「ピンクの首輪?」
「いやはや、少し迷ってしまったであーる。ドラリーニョに運転を任せて失敗だったであーる」
「だって、ドラメッドが水の上でも怖いとか言い出すからボクが代わったのにぃ。でも、無事着いたからいっか!」
次はドラメッドとドラリーニョがやってきた。そしてやっぱり二人とも紙袋を持っている。
「はい! これ、ボクからね!」
「それから、我輩からはこれであーる。大切に使ってほしいであーるよ……」
ドラメッドが何故か不安そうな顔をしているけれど、僕にはその理由が全くわからない。ドラリーニョは「大丈夫だってー!」と楽しそうに言っている。
「ねえねえ、僕には教えてくれない? どうしてドラえもんにこんなことしてるのか」
と、のび太くんが横から話に入ってくる。こう言うときだけ積極的なんだから……もう少し授業や勉強にも積極的になって欲しいとお世話ロボットの本能が言っていた。そしてそののび太くんの言葉を聞いてドラリーニョとドラメッドは顔をあわせてしばらく考えていた。
「……なんでしてるっけぇ?」
がくっ。三人の肩が落ちた。
「はぁ…仕方ないであーる。ドラリーニョの確認のために言うであーるけど、絶対にドラえもんに言っちゃ駄目であーるよ」
「うんうん!!」
「え、僕だけ仲間はずれ?」
僕が言うと、ドラメッドは小さく「ごめんであーる」と言って、のび太くんとドラリーニョで円陣を組んで何かをひそひそという。時々「ああー! そうだねぇー!」とか「そっか! なるほどね!」などと納得したような声が聞こえたけれど何がなるほどなのか教えて欲しい。
「それでは、我輩たちは帰るであーる。ドラリーニョ」
「うんっ! じゃあねー!!」
二人はまた、タイムマシンに乗り込み姿を消した。今日はみんなどうしたんだろう。のび太くんに事情を聞きたいんだけれど、この様子だと教えてくれなさそうだ。
「そんなに楽しいこと言ってた?」
「うん。ドラえもんにとっては幸せかも。あ、貰ったもの見ようよ」
そう言ってのび太くんが紙袋を開く。ドラメッドからは魔法の絨毯、ドラリーニョからはキラキラ輝くサッカーボール大の水晶を貰った。でも、魔法の絨毯ってまだローン残ってるとか言ってなかったかな……
「もうすぐ、夕方になるね」
のび太くんは楽しそうに言う。何のことを言っているんだ。ねえねえ、僕にも教えてよと言おうとしたその時、引き出しが開いた。
「……迎えに、来た」
と、ドラニコフがいつもと同じ無表情で言う。
「は?」
「荷物を持って、行くぞ」
そう言ってドラニコフは僕の腕を強引に引っ張る。それからのび太くんが貰った紙袋たちをドラニコフのタイムマシンに乗せる。
「ええええ?! ど、どこ行くの?! っていうかのび太くんも何してんの!?」
「ドラニコフ、後は任せるよ! あとね」
引き出しが少しずつ閉まりそうになる。
「誕生日、おめでとう」
訳わかんない、と思っている間に二十二世紀にたどり着いていた。それから、ドラニコフが紙袋の一つを開く。中から魔法の絨毯が出てきた。
「これで、上に」
ドラニコフが指を立てる。ここ、タワー。上、展望台? でも絨毯で行くって事は外?
「俺からは、これ」
そう言ってドラニコフに渡されたのはドラヤキが二個だった。そして、様々なものが置かれた絨毯に僕は乗せられ、上昇した。
上昇が止まったのはタワーの一番上の展望スペースの屋根の上だった。そこに、僕の知っている姿があった。
「あっ」
「久しぶり、ドラえもんくん。素敵な格好ね」
穏やかに微笑むその姿は、僕があの頃憧れていたものと全く変わっていなかった。むしろ、美しさが増したようにも思える。兎に角、何故彼女がここにいるか理解できなかった。
「のら、みゃーこ、さん」
「そんなに硬くならなくてもいいのに。元気そうだね」
にこっと、笑う。その笑顔に、僕の回路は熱くなっているのを感じた。わーわー! どういうこと?!
「いきなりびっくりしたのよ。みんなにこんな所に呼ばれてさ」
「え?」
「ドラえもんズのみんな。今日、大切な日だからって」
「大切…?」
話が完全に読めない。ついていけない僕にノラミャーコさんは優しく言った。
「お誕生日、おめでとうドラえもんくん」
「……あっ!」
「ねえ、それに乗ってもいいかな?」
と、ノラミャーコさんが絨毯を指さす。どう返事すればいいかわからない僕はとりあえず頷いた。そして、ノラミャーコさんも絨毯に乗った。
「あ」
その時、僕の指先に薔薇の花束とピンクの首輪が目に入った。そういえば、いつかノラミャーコさん薔薇が好きって言ってた、とみんなに言ったっけ。ピンクの首輪、ノラミャーコさんに似合いそうって言ったっけ。
「あの、これ」
僕は薔薇の花と、首輪をノラミャーコさんに差し出す。ノラミャーコさんはしばらく驚いた顔をして、ふわりと笑う。「ありがとう」
「なんだか私がもらいものしちゃって…誕生日なのにね」
「そっ、そんな事ないですよ!」
「あ、見てみて!」
そう言って、ノラミャーコさんが何かを指さす。そこには水晶玉があった。夕陽を浴びて、まるで宝石みたいにきらきら輝いている。
「綺麗……」
「そう、ですね。あ、あの、一緒に食べませんか」
さっき貰ったばかりのドラヤキをノラミャーコさんに見せる。頷いて、ノラミャーコさんは受け取った。
「「いただきます」」
二人いっしょに言って、二人同時に一口頬張った。なんだか可笑しくて、二人同時に笑った。タイミングがこんなに合うなんて、なんだか面白い。
「覚えてる? ここで一緒に食べたこと」
「忘れませんよ。だって、僕がドラヤキ好きになったのここだったんです」
「うん。私も、ドラヤキ大好きだし」
ノラミャーコさんが僕を見つめる。その瞳が、水晶の輝きを浴びてさらにきらきらと光る。
「ドラえもんくんの事も大好き」
思考回路が、淡く染まる。
「僕、ここで好きになったもの…ドラヤキだけじゃないんです」
「え?」
「あなたのこと、です」
ノラミャーコさんが目を閉じて微笑む。僕も、笑った。
「ありがとう、嬉しいよ」
「こんな風にノラミャーコさんと会えて嬉しいです。でも…」
先ほどから気になるものがあった。ちらちら見える、人影とタケコプターの音。
「そこで隠れてこそこそと見てたわけ?!」
振り向くと、ドラえもんズのみんながいた。ノラミャーコさんも苦笑いを浮べている。「やっぱり……」とまで呟いているから、結構前から気付いていたんだ。
「い、いっやー、計画が無事に進行するか心配だったんだよ。な、王ドラ」
「そ、そうですよ! なんてったって私たち仲間ですから。ですよね、エル・マタドーラ」
「お、おうよ! それに女性の体調とか不具合なんて起きたら困るし。なあドラメッド」
「そ、そのとおりであーる! 我輩の絨毯の調子も心配であったし。であるよな、ドラリーニョ」
「う、うん! 水晶の光の具合、とか、位置とかも大丈夫かなーって思ったから! ねっ、ドラニコフ!」
「……ドラヤキに間違ってタバスコ入れたり、ケチャップ入れてないか不安だった。キッド」
「そ、そういう事だよ? なっ!」
キッドが強くそう言って親指を立てると、みんなが親指を立てて強く頷いた。全く……
「良かったね、ドラえもんくん」
「え?」
「こんなに素敵な仲間が居て」
ノラミャーコさんがくすくすと笑いながら言う。確かに、としか思えないけれど、でも、
「もうちょっと考えたらどうなわけ!?」
と叫ぶのは正等ではないかと思う。
:あとがき:
とりあえずドラズドタバタコメディー。みんなドラえもんが大好きなんだよ!
そして初書きののび太くん&ノラミャーコさんです。のび太は多分中学生かそれぐらいです。もしくは小学生のままでも……まあいけるかな。
ノラミャーコさんはドラの先輩イメージです。確かそうだったっけ…?
ともかく、どらおめでとう!!おめでとう!!!!
突然キッドにそれを渡された。僕は意味がわからず、とりあえず「は?」と言ってみた。
「なに、これ」
「いいから」
いいから、って何が? まったく話についていけない。僕がぼんやりとしている間に、キッドはタイムマシンに乗ろうとしていた。
「待て待て待て!! 何、どういうこと?!」
「だーから、それもっとけ。後で迎えに戻ってくるから」
「は!?」
何の話?! 聞こうと思ったときにはタイムマシンに繋がるのび太くんの机の引き出しは閉ざされた。こうなったらもう、やけくそだ。そう思い、キッドから受け取った紙袋を開けた。
「……なにしてんの、ドラえもん」
「僕が好きでこんな格好すると思う、のび太くん」
部屋に入ったのび太くんは僕の姿を見て、困惑しているようだった。そりゃ、本人が困惑してるんだから見るほうが困惑しても仕方ない。いや、そういう問題じゃなくって
「何故タキシード? 似合わないし」
「僕も好きで着てるわけでもないからね。全く、キッドは何考えてるんだか……」
紙袋の中にはタキシードと一枚の手紙が入っていた。手紙には「着ろ」としか書かれていなかった。なので、着てみたら破滅的に僕には似合わない。
「失礼し…ぶっ」
「え、どうしたんだよ!? 俺もみ、ぶっ」
突然机から声がした。のび太くんと僕は机を見つめる。しばらく、押し殺したような笑い声がしていたが引き出しが勝手に開いた時にはその笑いは収まっていた。ただし、二人の顔は嫌と言うぐらい笑いを収めていなかったが。
「王ドラ、それにマタドーラも。どうしたの、いきなり?」
「い、いえ。渡すものがありまして。ね、エル」
「おう、おうよ! しっかしドラえもん……お前、それどうしたのよ?」
にやにや気持ち悪い笑顔を浮べたマタドーラが僕に尋ねる。それ、とはきっとこの僕が着ているタキシードのことだろう。二人が笑ったのもタキシードのせいだ。似合わないことぐらい、僕は知っている。
「キッドが持ってきたんだよ。それで『着ろ』って手紙にかかれてたから着たけど……」
「王ドラ、お前あいつになんて言った?」
「私は正装を渡すようにとは言いましたが…これはひど、んっ、んんぅ」
王ドラが咳をして誤魔化したが、確実に「これはひどい」と言いたかったんだろう。ちょっと僕でも傷つく。
「それで、どうしてみんな来てるの?」
と、のび太くんが後ろから的確な質問をした。そうそう、それは僕が一番聞きたかったんだ。
「いえ、少し準備がありましてね。さて、私からはこれを」
「俺はこれを渡しとくぜ。上手くやれよ、ドラえもん」
質問を交わしながら、二人は紙袋を僕に渡す…というよりは押し付けた。それから二人揃ってタイムマシンに乗って消えた。
「タキシードの次は、何?」
「さぁ……えーっと」
袋の中身を取り出す。
「薔薇の花束と」
「ピンクの首輪?」
「いやはや、少し迷ってしまったであーる。ドラリーニョに運転を任せて失敗だったであーる」
「だって、ドラメッドが水の上でも怖いとか言い出すからボクが代わったのにぃ。でも、無事着いたからいっか!」
次はドラメッドとドラリーニョがやってきた。そしてやっぱり二人とも紙袋を持っている。
「はい! これ、ボクからね!」
「それから、我輩からはこれであーる。大切に使ってほしいであーるよ……」
ドラメッドが何故か不安そうな顔をしているけれど、僕にはその理由が全くわからない。ドラリーニョは「大丈夫だってー!」と楽しそうに言っている。
「ねえねえ、僕には教えてくれない? どうしてドラえもんにこんなことしてるのか」
と、のび太くんが横から話に入ってくる。こう言うときだけ積極的なんだから……もう少し授業や勉強にも積極的になって欲しいとお世話ロボットの本能が言っていた。そしてそののび太くんの言葉を聞いてドラリーニョとドラメッドは顔をあわせてしばらく考えていた。
「……なんでしてるっけぇ?」
がくっ。三人の肩が落ちた。
「はぁ…仕方ないであーる。ドラリーニョの確認のために言うであーるけど、絶対にドラえもんに言っちゃ駄目であーるよ」
「うんうん!!」
「え、僕だけ仲間はずれ?」
僕が言うと、ドラメッドは小さく「ごめんであーる」と言って、のび太くんとドラリーニョで円陣を組んで何かをひそひそという。時々「ああー! そうだねぇー!」とか「そっか! なるほどね!」などと納得したような声が聞こえたけれど何がなるほどなのか教えて欲しい。
「それでは、我輩たちは帰るであーる。ドラリーニョ」
「うんっ! じゃあねー!!」
二人はまた、タイムマシンに乗り込み姿を消した。今日はみんなどうしたんだろう。のび太くんに事情を聞きたいんだけれど、この様子だと教えてくれなさそうだ。
「そんなに楽しいこと言ってた?」
「うん。ドラえもんにとっては幸せかも。あ、貰ったもの見ようよ」
そう言ってのび太くんが紙袋を開く。ドラメッドからは魔法の絨毯、ドラリーニョからはキラキラ輝くサッカーボール大の水晶を貰った。でも、魔法の絨毯ってまだローン残ってるとか言ってなかったかな……
「もうすぐ、夕方になるね」
のび太くんは楽しそうに言う。何のことを言っているんだ。ねえねえ、僕にも教えてよと言おうとしたその時、引き出しが開いた。
「……迎えに、来た」
と、ドラニコフがいつもと同じ無表情で言う。
「は?」
「荷物を持って、行くぞ」
そう言ってドラニコフは僕の腕を強引に引っ張る。それからのび太くんが貰った紙袋たちをドラニコフのタイムマシンに乗せる。
「ええええ?! ど、どこ行くの?! っていうかのび太くんも何してんの!?」
「ドラニコフ、後は任せるよ! あとね」
引き出しが少しずつ閉まりそうになる。
「誕生日、おめでとう」
訳わかんない、と思っている間に二十二世紀にたどり着いていた。それから、ドラニコフが紙袋の一つを開く。中から魔法の絨毯が出てきた。
「これで、上に」
ドラニコフが指を立てる。ここ、タワー。上、展望台? でも絨毯で行くって事は外?
「俺からは、これ」
そう言ってドラニコフに渡されたのはドラヤキが二個だった。そして、様々なものが置かれた絨毯に僕は乗せられ、上昇した。
上昇が止まったのはタワーの一番上の展望スペースの屋根の上だった。そこに、僕の知っている姿があった。
「あっ」
「久しぶり、ドラえもんくん。素敵な格好ね」
穏やかに微笑むその姿は、僕があの頃憧れていたものと全く変わっていなかった。むしろ、美しさが増したようにも思える。兎に角、何故彼女がここにいるか理解できなかった。
「のら、みゃーこ、さん」
「そんなに硬くならなくてもいいのに。元気そうだね」
にこっと、笑う。その笑顔に、僕の回路は熱くなっているのを感じた。わーわー! どういうこと?!
「いきなりびっくりしたのよ。みんなにこんな所に呼ばれてさ」
「え?」
「ドラえもんズのみんな。今日、大切な日だからって」
「大切…?」
話が完全に読めない。ついていけない僕にノラミャーコさんは優しく言った。
「お誕生日、おめでとうドラえもんくん」
「……あっ!」
「ねえ、それに乗ってもいいかな?」
と、ノラミャーコさんが絨毯を指さす。どう返事すればいいかわからない僕はとりあえず頷いた。そして、ノラミャーコさんも絨毯に乗った。
「あ」
その時、僕の指先に薔薇の花束とピンクの首輪が目に入った。そういえば、いつかノラミャーコさん薔薇が好きって言ってた、とみんなに言ったっけ。ピンクの首輪、ノラミャーコさんに似合いそうって言ったっけ。
「あの、これ」
僕は薔薇の花と、首輪をノラミャーコさんに差し出す。ノラミャーコさんはしばらく驚いた顔をして、ふわりと笑う。「ありがとう」
「なんだか私がもらいものしちゃって…誕生日なのにね」
「そっ、そんな事ないですよ!」
「あ、見てみて!」
そう言って、ノラミャーコさんが何かを指さす。そこには水晶玉があった。夕陽を浴びて、まるで宝石みたいにきらきら輝いている。
「綺麗……」
「そう、ですね。あ、あの、一緒に食べませんか」
さっき貰ったばかりのドラヤキをノラミャーコさんに見せる。頷いて、ノラミャーコさんは受け取った。
「「いただきます」」
二人いっしょに言って、二人同時に一口頬張った。なんだか可笑しくて、二人同時に笑った。タイミングがこんなに合うなんて、なんだか面白い。
「覚えてる? ここで一緒に食べたこと」
「忘れませんよ。だって、僕がドラヤキ好きになったのここだったんです」
「うん。私も、ドラヤキ大好きだし」
ノラミャーコさんが僕を見つめる。その瞳が、水晶の輝きを浴びてさらにきらきらと光る。
「ドラえもんくんの事も大好き」
思考回路が、淡く染まる。
「僕、ここで好きになったもの…ドラヤキだけじゃないんです」
「え?」
「あなたのこと、です」
ノラミャーコさんが目を閉じて微笑む。僕も、笑った。
「ありがとう、嬉しいよ」
「こんな風にノラミャーコさんと会えて嬉しいです。でも…」
先ほどから気になるものがあった。ちらちら見える、人影とタケコプターの音。
「そこで隠れてこそこそと見てたわけ?!」
振り向くと、ドラえもんズのみんながいた。ノラミャーコさんも苦笑いを浮べている。「やっぱり……」とまで呟いているから、結構前から気付いていたんだ。
「い、いっやー、計画が無事に進行するか心配だったんだよ。な、王ドラ」
「そ、そうですよ! なんてったって私たち仲間ですから。ですよね、エル・マタドーラ」
「お、おうよ! それに女性の体調とか不具合なんて起きたら困るし。なあドラメッド」
「そ、そのとおりであーる! 我輩の絨毯の調子も心配であったし。であるよな、ドラリーニョ」
「う、うん! 水晶の光の具合、とか、位置とかも大丈夫かなーって思ったから! ねっ、ドラニコフ!」
「……ドラヤキに間違ってタバスコ入れたり、ケチャップ入れてないか不安だった。キッド」
「そ、そういう事だよ? なっ!」
キッドが強くそう言って親指を立てると、みんなが親指を立てて強く頷いた。全く……
「良かったね、ドラえもんくん」
「え?」
「こんなに素敵な仲間が居て」
ノラミャーコさんがくすくすと笑いながら言う。確かに、としか思えないけれど、でも、
「もうちょっと考えたらどうなわけ!?」
と叫ぶのは正等ではないかと思う。
:あとがき:
とりあえずドラズドタバタコメディー。みんなドラえもんが大好きなんだよ!
そして初書きののび太くん&ノラミャーコさんです。のび太は多分中学生かそれぐらいです。もしくは小学生のままでも……まあいけるかな。
ノラミャーコさんはドラの先輩イメージです。確かそうだったっけ…?
ともかく、どらおめでとう!!おめでとう!!!!
PR
この記事にコメントする
裏話的な
「おい、電話」
そう言って突然キッドが僕に携帯電話を渡す。電話の向こうに居るのはどうやらのび太くんらしい。ああ、もう時間も遅い。そろそろ帰らないと
「もしもしのび太くん? 帰り、遅くなる」
『ああ、今日はそっちでゆっくりしときなよ。僕は大丈夫だから』
「………え?」
『もうそっちも夜遅いでしょ? だから、家に帰ってゆっくりしなって。じゃあ』
そう言ってブツンと電話が切れた。の、のび太くん…なんて立派に成長したんだ……。涙出てきそう。
「それじゃあ、素敵な誕生日を過ごしてねドラえもんくん」
にこ、と笑うノラミャーコさん。もう素敵な誕生日は受け取らせていただきましたよ! ノラミャーコさんの笑顔を見ながら思った。
「おかえり、それとおめでとうお兄ちゃん!」
家に帰ると、ドラミの明るい声が響いた。そして、そのままドラミが僕に抱きつく。
「ありがとう、ドラミ。ん…?」
家の中から甘い香りがする。何の香りだろうと考えているとドラミが耳元で言った。
「特大ドラヤキ、作ったよ。お兄ちゃんのために」
「え?!」
「なかなか大変だったの。一週間前から練習して、やっと綺麗に出来るようになったんだから」
ドラミが僕の腕を掴み、走り出す。そしてリビングに着くと、大きなドラヤキが白いお皿の上に乗っていた。美味しそう。
「ハッピーバースデイ、お兄ちゃん」
「あ、あああり、がと……うっ!」
「お兄ちゃんったら、泣かないでよー。もう……涙もろいのは変わんないんだから」
「だ、だって妹にこんなことされたら嬉しいだろう…」
みっともない兄貴だなあ、と思いながら僕は涙を腕で拭う。ドラミがドラヤキを切り分け、小さなお皿に乗せる。ボウルの中に入っていた生クリームをお皿に乗せて、僕に差し出した。
「ほら、お兄ちゃん」
「うん…いただきます…」
一口頬張ると、甘い餡と生地とクリームが口の中で一つになり溶ける。美味しい、美味しすぎる…
「こんなに、おっ、いし、いの…は、じめ……てたべっ」
「もー! お兄ちゃん泣きすぎ!!」
ドラミのそんな声を受けながら、僕はまた一口、ドラヤキを頬張った。
って感じでずっとドラは泣き続けそう…。
他のドラの誕生日っていつだろう…? あったらお祝いしたいね!
そう言って突然キッドが僕に携帯電話を渡す。電話の向こうに居るのはどうやらのび太くんらしい。ああ、もう時間も遅い。そろそろ帰らないと
「もしもしのび太くん? 帰り、遅くなる」
『ああ、今日はそっちでゆっくりしときなよ。僕は大丈夫だから』
「………え?」
『もうそっちも夜遅いでしょ? だから、家に帰ってゆっくりしなって。じゃあ』
そう言ってブツンと電話が切れた。の、のび太くん…なんて立派に成長したんだ……。涙出てきそう。
「それじゃあ、素敵な誕生日を過ごしてねドラえもんくん」
にこ、と笑うノラミャーコさん。もう素敵な誕生日は受け取らせていただきましたよ! ノラミャーコさんの笑顔を見ながら思った。
「おかえり、それとおめでとうお兄ちゃん!」
家に帰ると、ドラミの明るい声が響いた。そして、そのままドラミが僕に抱きつく。
「ありがとう、ドラミ。ん…?」
家の中から甘い香りがする。何の香りだろうと考えているとドラミが耳元で言った。
「特大ドラヤキ、作ったよ。お兄ちゃんのために」
「え?!」
「なかなか大変だったの。一週間前から練習して、やっと綺麗に出来るようになったんだから」
ドラミが僕の腕を掴み、走り出す。そしてリビングに着くと、大きなドラヤキが白いお皿の上に乗っていた。美味しそう。
「ハッピーバースデイ、お兄ちゃん」
「あ、あああり、がと……うっ!」
「お兄ちゃんったら、泣かないでよー。もう……涙もろいのは変わんないんだから」
「だ、だって妹にこんなことされたら嬉しいだろう…」
みっともない兄貴だなあ、と思いながら僕は涙を腕で拭う。ドラミがドラヤキを切り分け、小さなお皿に乗せる。ボウルの中に入っていた生クリームをお皿に乗せて、僕に差し出した。
「ほら、お兄ちゃん」
「うん…いただきます…」
一口頬張ると、甘い餡と生地とクリームが口の中で一つになり溶ける。美味しい、美味しすぎる…
「こんなに、おっ、いし、いの…は、じめ……てたべっ」
「もー! お兄ちゃん泣きすぎ!!」
ドラミのそんな声を受けながら、僕はまた一口、ドラヤキを頬張った。
って感じでずっとドラは泣き続けそう…。
他のドラの誕生日っていつだろう…? あったらお祝いしたいね!