春色の風に
ふっとため息が漏れる

顔を上げて
淡い白の光が見えた

もう季節は巡った
あの冬の日々は終わった
あの恋の日々は終わった

眼を閉じる
息を吐き出す
風が春に染まる

もう季節は巡った
涙流した冬は終わった
恋をした冬は終わった

雪の代わりに降るのは桜
手を伸ばして掴めば
消えない花弁が宙を舞う

もう季節は巡った
春、夏、秋、冬、
終わりを告げた私の恋

ほんの少しでいいの
私に勇気をください

歩き出す一歩は
驚くくらい震えていて
目の前はゆらゆらと
涙のせいで揺れている

あと一歩、あと一歩。

そうすれば
私はきっと

あと一歩、あと一歩。

ほんの少しでいいから
私に勇気をください
あと一歩を歩む
その為の勇気
あと一歩の
勇気を、

その一歩で私は、
きっと変われるんだ。

足よ震えるな
涙よこぼれるな

私の一歩を誰も拒むな


その一歩で私は、
きっと変われるんだ。


「終わりにしよう」


最後の音は、
何かが崩れる音だといい。

ありがとう

素敵な一日でした
素敵な夜でした

あなたと一緒に過ごせて
あなたと一緒に歩けて

幸せでした

あなたの心に少しでも触れることができたなら
私はとても幸せです

ありがとう
本当にありがとう

私はあなたが、大好きです。

やさしいキスじゃ残らない

感触は痛みだけ
苦痛から人は記憶する
だから
優しさでは
何も残りはしない

キスは、
キスくらいは、

罵られた言葉も
痛めつけられた体も
服従を誓った首輪も
随分記憶から薄れてゆく

キスは、
キスだけは、

体に残る感覚
痛みとは異なる優しさ
恋、とか生ぬるいモノじゃなく
冷たいくらいがちょうどいい

キスは、
熱いくらいがいい

誰よりも解ってるくせに

ここにすがる理由も
あなたにこだわる理由も

苦しいと叫ぶ心臓に
塗るクスリも飲むクスリも
全く効果がないの

本当は解ってるくせに

あたしもあなたも
互いを思いやっている
なのに
互いに離れて
互いに傷つけて
互いに笑いあった

本当は抱いてほしい
本当は口付けてほしい
会って話がしたい
なのに、あたしたちは

わからずやのあたしに教えてよ

あなたの愛とか
あなたの言葉とか
あなたの優しさとか
あなたの全て
みんな、みんな

あたしに教えてよ